お菓子の家の物語

ビリビリに破けてもページをめくり続けてボロボロになってしまった大好きな絵本。
その絵本の一番の主役がお菓子の家。
その絵本のタイトルは”ヘンゼルとグレーテル”
あれ?主役2人の名前がタイトルになってるのでは…?とお思いでしょう。
しかしながら、私にとっての主役はお菓子の家なんです。
チョコレートの屋根をかじるヘンゼル。氷砂糖の窓をかじるグレーテル。
そのかじっている様子が、美味しそうで美味しそうで、いつの日か森を歩いてお菓子の家に遭遇したいと心から思っていました。

挿絵を描いているのは伊坂芳太良(いさか よしたろう)さんです。
1969年に出版されているので、私がこの絵本を手にしたずっと前に描かれた絵になりますが、2025年の今でもとても斬新だしおしゃれだし、なんといっても色彩が素晴らしいんです。
可愛くて綺麗で、ほんの少し不気味さのある”ヘンゼルとグレーテル”は大人になっても大好きなままです。

10月頃のブログでちらっと書きましたが、”ヘンゼルとグレーテル”を修理に出していました。
水道橋にある”製本工房リーブル”さんに依頼してから2年が経ち、今年の4月に綺麗になって帰ってきました。
beforeとafterが分かるように、ボロボロの状態も写真に撮っておけばよかったな〜と思うのですが、生まれ変わったくらいに綺麗になっています。
私が当時落書きしたところや、破いてしまってセロテープで留めてもらったところは、あえて思い出としてそのままにしています。
もし大好きな本がボロボロでも手放さないで、修理という方法があるのを知っておいて欲しいなぁと思うのです。
腕ききの本の修理屋職人さんがいるのってありがたいことです。